専門家がマスクに対する見解を変えた理由
専門家がそれまでの見解を覆した理由を覚えている。
結論からいうと、covid-19は発症前の人で咳などが出てない人でも感染させる力が強いことが分かったから、CDCをはじめとする専門家はマスクに対する見解を変えて、2mの距離が取れない場合はすべての人にマスクを着用するべきだというようになった。
(私の記憶と理解による)時系列的な整理
1.2019年以前
咳などの症状が出ている人は、感染を広げないためにマスクを着用すべきだが、一般人で症状の出ていない人はマスクをする意味がないと考えられていた。
理由の一つは、マスク着脱の訓練を受けた医療従事者と異なり、一般人はマスクをしても結局手で目をこすったり口を触ったりなどの接触感染が起きるし、マスクを使いまわしたり隙間なく着用できなかったり、マスクの効果が薄いから。
もう一つの理由は、市場に出回る不綿布マスクなどは飛沫が染み込んだり、ウイルスがメッシュよりも小さく通過してしまうため、そもそも一般のマスク自体に感染防止効果がないと認識されていた。
2.2020年の初頭、covid-19流行初期
2019年以前の認識と変わらず、症状の出ていない一般人がマスクをする意味はなく、
- 他人に感染させない目的で、風邪のような症状が出てくる人か、
- 自分が感染しない目的で、医療従事者が正しい作法でN95等のマスクをする、
のどちらかが有効と認識されていた。
だから風邪的な自覚のない医者や専門家は、マスクなしでテレビに出演したりしていた。
流行初期のマスクしない派の論理は上記に依っていたはず。
3.2020年春以降
元twitterのいう「それから3か月後位に皆意見を変えた」の時期がここ。
covid-19の性質が明らかになるにつれ、感染から発症まで数日の潜伏期間があり、もっとも他人に感染させている時期が発症直前から直後あたりだと分かった。
つまり非感染者と区別できない発症前患者が感染させまくっているという理解になったため、症状の有無にかかわらずマスクをするべきという見解に変わった。
CDCのマスクポリシーの変更がニュースになった。WHOのポリシー変更はもっと後だったと記憶している。
ポイントは、この時点では一般人にとってマスクによる防御効果は薄いというのが、引き続き専門家の見解だった。
4.2020年の夏か秋か冬あたり
一般人にとってマスクの防御効果があるかどうかの論文報告が見られ始め、有効性が認められているような雰囲気になる(このへん専門家がどう思っているのか自信ない)。
2019年以前の理解と異なり、N95ではない不綿布マスクでも防御効果がある、ということが医学研究者による論文でも言われ始める。
曰く、2019年以前は、実は、医療従事者を対象としたマスク効果の実験しかされておらず、一般人を対象としたマスク効果実験はあまり報告がなくよく分かってなかったというのが正しい理解であったらしい。
(私はなんじゃそらと思った記憶がある。)
そう言われると、以前からはてぶコメントでも言われていた「飛沫感染するんだから不綿布マスクでも一定の感染防御効果があるだろ」という指摘が説得力を持ち始める。
ただし、「コロナが飛沫感染主体である以上はマスクは感染対策として有効」だと認めたからCDCや専門家が意見を変えたわけではない、ということが言いたかった。
5.ワクチン接種者に対するマスクポリシー
6.デルタ株の流行以後のマスクポリシー
最近CDCが見解変更したニュースがあった。
ワクチン打ってもマスクはしとけ、ってよ。
理由はデルタ株の流行だね。
まとめると、id:rohiki1氏のコメントに全面的に同意です。
RINちゃん on Twitter: "昨年の2月の画像。岩田先生にしてもCDCファウチにしてもこの頃は皆同じ見解だったマスク。それから3か月後位に皆意見を変えた。変えた理由が知りたい。それまでの見解を覆す何があったのか? https://t.co/dRQPLGuFNB"b.hatena.ne.jpマスクは未感染者のウイルス防止用じゃなく、感染している人が他人に感染させないように…という流れだった気が。それと、発症する直前が一番感染させてるデータ。この辺からもじゃないかな?
2021/08/13 12:45